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べる一家のゆっくり黒い砂漠。

SS貼っつけるだけの超ゆっくりぷれい日記。

 

蒼空を舞う豪雷 後編 

ボマーズ海賊団の三人は、未開の地、峡谷へ来ていた。

峡谷の天気は至って良好。空を見上げれば一片の雲も無い見渡す限りの蒼空だった。
確かに晴れていれば一般的に天気はいいとされるが、ボマーズ海賊団にとっては何より、
肝心の爆弾が使えるかどうか、天気の判断の基準はそこであった。








この話は以前ボマーズブログで書いたものですが、
当ブログに載せるにあたり一部手を加えた部分もあります。
ベル「うっひょォー!なんつー絶景だ。こいつァいい、
   ピクニックに来たんだっけあたしら」 

遠足にやってきた子供のような顔をしてベルメールはきょろきょろと自然に見入っている。

さくら「ベルメール、ふざけてる場合じゃありませんよ?
    私達の仕事はあくまで峡谷の調査ですよ?」

ナカジ「いいじゃーん、かてぇ事いうなよさくら~」 

ナカジも目を爛々と輝かせて、辺りに生えている見た事もない植物を珍しそうに観察している。
「まったくこの人達はいっつもこうなんだから」と
さくらは頬をぷっくりとふくらませてしばらく立ち尽くし、

さくら「はい!じゃあもうそろそろいいですね二人ともっ」 

そう言ってさっさと歩き出した。慌てて二人は追いかけた。



峡谷で初めて見たもの、その一つが風変わりなサボテンだった。
大きさは丁度人間の身長くらいで、鋭利に尖った棘は少し触れただけで
骨まで貫通してしまいそうなほどだった。
砂漠で見かけられるスライスサボテンも棘はもちろんあるが、
この棘の鋭さといったら比較の対象ではない。そのため採取することはできなかった。
が、サボテンの中央辺りに何やらモンスターの爪の痕のようなものが有る。
それも、何度も時間を置いては引っ掻いたような傷が無数にあった。
実はこのサボテン、採取することはできないがその葉肉部とでもいうのだろうか、
そこに含まれる特殊な成分とサボテン内に溜められた水分がうまく結合し、
生物の体力を徐々に回復させる力があったのだ。
ベルメールが遊び半分で剥ぎ取り用のナイフで切った時、返り血のように浴びた液体がそれだった。
しかしその遊びのような行動が無ければ、峡谷特有の特殊な自然物の力はわからなかったのだ。


採掘ポイントももちろんあった。これだけの崖、岩肌がむき出しになっているのだ。
無いわけはなかった。採掘ポイントからは岩塩が掘れた。
つまりこの峡谷は地殻変動によって海底から隆起した大地だった。
その他にもベリル鉱石、アモナイト鉱石等、見た事もない鉱石が掘れた。





ベースキャンプを出発してから4時間ほど経過していた。


ナカジ「ベル~、腹へった!もう俺動けねーよー」

そういうのも無理は無い。早朝に街を発つ時、
メゼポルタ広場の食材屋の女将を無理やり起こして作ってもらったヒーヒーカレーを
食べて以来、何も口にしていないのだ。

ベル「そうしたいのは山々なんだけどよォ、草食竜が全然見当たらねェじゃねェか。
   せっかく肉焼きセット持ってきたっつーのによォ」
 
さくら「だから言ったじゃないですかー、
    未開の地に行くんだから草食竜がいるとも限りませんよって、
    なのにベルメールったら大丈夫だって聞かないんですもの。
    やっぱり女将さんに狩人弁当も作ってもらえばよかったんですよー」

ベル「なんだよ、あたしが悪いってのかよォ、無理やり起こしといて
   弁当も作れじゃ可哀相だっつったらお前だって納得したじゃねェかよ!」 

元々短気な上、腹も減っていたのではいつ暴れだすともわからない状態だった。

さくら「それはそうですけどぉ・・・」 



三人とも無言でしばらく歩いていると、遠くに湖らしきものが目に入った。

ナカジ「あ!魚がいるかも!それ釣って食おうぜ!」 

ナカジが真っ先に湖に辿り着き、魚影を確認すると、
アイテムポーチからそそくさとよろず焼きセットを取り出し、
馴れた手つきで釣竿を組み立て始めた。
この若者はボマーズ海賊団でもっとも釣りが上手いのだ。
その上クエストに出かけても忘れ物をした事が無い。
よろず焼きセットまで持ってくる辺りはさすがと言ったところか。

ナカジが釣針に釣りバッタをつけ、湖に向かって釣竿を振ったその時、
ゲネポスの群れが岩陰から10匹程度現れた。
こういう時にやってくる程、勘にさわる事はない。面倒だからと放っておき、
噛みつかれて麻痺状態にされたりなどしたらそれこそ目も当てられないが。

さくら「ベルメール、肉が現れましたよ?」 

悪戯っぽい顔をしてベルメールを見た。

ベル「ゲネポスのくそまずい肉なんか食えるかよ、あれ食うと舌が痺れるんだ、
   めんでェからさっさと始末しちまってくれよ」

ベルメールはナカジの釣り上げる魚のほうが断然気になっていた。
採掘した時に手に入れた岩塩を砕いて、塩焼きにして食べようという考えで頭は一杯だったのだ。

さくら「まったくしょうがないですねぇ」 

淡いピンク色の髪をかき上げて、ため息をついた後、素早く愛用の弓、
シスネ・ダオラをゲネポスに向かって構えた。
「クリティカル距離までこっちから近づくのは面倒なので」 
と近づいてくるゲネポスを飄々と射抜いていった。
小型の鳥竜種は意外と弓では狙いにくい。それをいとも簡単に、
かつ正確に一撃で仕留めることは容易な作業ではないのだ。

ゲネポスの群れを一掃した頃にはナカジがドスアロワナの塩焼きを
三人分焼き終える頃だった。ナカジは上機嫌そうに鼻歌を歌いながら最後の魚を焼いている。

その時、ベルメールは何かしらの違和感のようなものを覚えた。

ベル「おい、さくら・・・」

さくら「えぇ、何か聞こえますね・・・」

さくらもその得体の知れぬ違和感を感じているようだ。

小刻みに響く雷のような音。だが雷の音などするはずも無かった。

雷が起こるということは、雨が降るということだ。雨が降る前兆は湿度の変化ですぐにわかる。
しかしいたって変わらぬこの峡谷特有の乾いた空気。
それに雨が降るというのなら微細でも雲があって然るべきである。

ついさっきもベルメールは空を見上げたが、雷を起こす雲があるどころか澄み渡った蒼空だった。
しかし確実に異様な「気」は伝わってくる。もう一度辺りを見渡すが、
ゲネポスの死体が横たわっているばかりで、他に生物らしきものは確認できない。

それでもなお、ゆっくりと忍び寄るように近づくその音。
自分達との距離が縮まるにつれて、その音はより鮮明になり、確信した。

まさしくそれは雷以外の何ものでもなかった。

ベルメールは「そんなバカな」と、もう一度上を見上げた。
確かに空は先ほどと変わらぬ蒼・・・、だがそれよりも先に目に映りこんだのは、
全身に雷気を纏った竜だったのだ。

もちろん見た事も無ければ聞いたことも無い。
だが長年の狩りの経験からその者が明らかに強いという事はわかる。


ベル「ナカジ、楽しいランチタイムは終了だ」


七色に輝く色鮮やかな鱗。大きく開いた両翼から迸る雷気。
その翼の先には鋭く尖った鉤爪。

単純に竜と呼んでしまっては形容しきれない、
それは雷を纏った鳳凰とでも言ったほうが近いかもしれない。

舞雷竜 ベルキュロス

それは異様なほど静かに・・・


雷臨した。


こわばる身体。全身の毛が逆立ち、毛穴という毛穴から汗が噴きだした。
ハンターにとってモンスターは、単純にいってしまえば「狩る」対象でしかない。
それと同じくモンスターにとってもハンター達は「狩る」ためだけの存在だという事を思い出さされた。

殺して捕食するのか、自分の領域を侵す敵を排除する為なのか、それともただの遊びか。
いずれの目的なのかなど分かりはしないが、蒼空から舞い降りたベルキュロスは地面には着地せず、
地上1メートルほどの高さで翼を羽ばたかせながら三人を睨みつけている。

ベルメールは愛用の武器、死の翼という名の銃槍「デッドウイング」を背中から引き抜き、
軽くバックステップをした後、銃槍を上下に軽く振った。
鈍い金属音を立てて中折れ式の銃槍は折れ曲がり、拡散型の弾が装填された。

それを握る手がまるでマイナス20度の世界にでもいっきに来たかのようにガクガクと震えている。

さくら「ベルメール、震えているのですか?」

そういった自分の脚も同じように震えている。

ベル「バカいってんじゃねェよ、こいつは武者震いだ。お前もそうだろう?」

恐れる気持ちが無いといえば嘘だった。
それよりも勝る身体のずっと奥の方からわきあがるような、言い表しようのない高揚感があった。

震えはもう止まっていた。

「ヨーホー化物、死ぬ準備は出来てるか?」 
狩りでモンスターと対峙した時、ベルメールがよく言う口癖だった。
それを聞いた二人はいつもの様な、獲物を狩るハンターの目になっていた。

モンスターに言葉が理解できるはずもないが、一瞬ベルキュロスの視線が
ベルメールだけに移ったのをナカジは見逃さなかった。
ガンナーであるナカジは常にモンスターの弱点を的確に狙う集中力、
そして低い防御力を補うための、攻撃行動を読む力に優れていたのだ。
そうして素早くベルキュロスの足元に転がってもぐり込むと、
おもむろに「小タル爆弾を」置いた。

それを見たベルメールとさくらは思わず目を合わせて、ニヤケ顔になるのを止められなかった。

ナカジ「でかいの一発かましてやるぜ!JET爆弾!!」

小タル爆弾の次に置いたのは、なんと大タルG3だった。
海賊稼業という商売をしているボマーズ海賊団でさえ、めったに手に入らない代物だ。
小タル爆弾の衝撃で吹き飛びながらナカジは二人のほうを見てピースサインを出した。


「ヨーホー!!」三人同時にそう叫んだ。


ベル「さァて、ワルツの時間だぜェ・・・!」

さくら「ほらほら私の射抜く矢でもっと踊りなさいっ!」 

ここから先は無我夢中だった。


















一体どれくらいの時間戦ったのだろうか。
数十分だったのか。数時間だったのか。はたまた数日か。

きずいたときにはベルキュロスは目の前であれだけ全身を覆っていた雷気を失い、倒れていた。

戦った内容など全く覚えていない。
わずかに覚えているのは何十発置いたであろう爆弾と、
何百発放ったであろう砲撃の火薬の匂いだけだった。



数日後、今回の峡谷での調査結果を報告するために、
三人は再びギルドマスターの待つ酒場へと向かった。

マスタ「おお、来よったか。驚いたぞ、
    何日も帰ってこないモンじゃから心配して救護班を送ったら
    ベースキャンプでぼろぼろになって寝てただなんてのぉ」

ベル「ああ、どうってことねェよ。ほらこの通りピンピンしてる」

軽快にステップを踏んで見せた。

マスタ「全くオヌシのタフさには毎回驚かされるワイ、ほんで、どうだったんじゃ?峡谷は」

ベルメール達は事細かにすべて報告した。

マスタ「なるほどのぉ、そんな飛竜が生息していたとはの・・・。
    ご苦労さんじゃった!そうじゃ、そんな雷を纏った竜の鱗とかはどうなっておるんじゃ?
    剥ぎ取ったモノを見せてくれんか?」

三人はいっせいに顔を見合わせた。冷や汗が額を流れ落ちるのが分かった。



ベル「は・・・、剥ぎ取んの忘れてたぁーー!!」 

アリーナに届くどころか、月まで届きそうな大声で叫んだ。

マスタ「バ・・・バ・・・、バカモンが~!
    新種のモンスターを狩って剥ぎ取らずに帰ってくるヤツなんて初めてみたわい!
    報酬は無しじゃ!無し!」

ベル「そりゃないぜェ~!」

さくら「本当ですか?!許してくださいー!」

ナカジ「簡便してよ~!」

三人はその後、誰が悪いだの悪くないだの、もみあい取っ組み合いを始めた。
この調子ではまた酒場の修復費は上乗せされそうだった。

そんな様子をギルドマスターはカウンターから見下ろしながら、
出発前にベルメールが言った言葉を思い出していた。

「とびっきりの報せを持って帰ってくるからマイトレのねーちゃんとでも遊んで待ってなッ」


マスタ「三人が無事で帰ってきたという事がとびっきりの報せじゃ」

ベル「あ?なんか言ったかじーさん」

マスタ「なんでもないわい!これ以上借金増やしてどーするつもりじゃオヌシら!」










オワリw

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Category: モンハン小説的な何か

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