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べる一家のゆっくり黒い砂漠。

SS貼っつけるだけの超ゆっくりぷれい日記。

 

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決意の朝 

煙草のヤニで茶色く薄汚れた木製の壁。

長年使い込まれたボロ雑巾のような海図は無造作に床に放り出されている。
4つ足の四角いテーブルに、ロッキングチェアー。
草食竜の骨で出来た、もとは白いであろう浅黄色のテーブルの上には
クレンザイトを加工して作られた煙草ケースが置いてある。
潮風に当てられて所々錆付いてはいるが、そのテーブルと妙にマッチしていた。

壁には青白く光るライトのようなものが掛けられているが、
どうやらガラスの瓶に雷光虫を生きたまま入れた物を
ライト代わりに使っているようだ。

ロッキングチェアーには、ブロンドの長い髪の女が座っていて、
脚をテーブルに放り出し、まるで子供の様にぐらぐらと椅子を揺らしながら煙草をふかしていた。







この話は以前ボマーズブログで書いたものですが、
当ブログに載せるにあたり一部手を加えた部分もあります。

4畳ほどの広さのその部屋には天井から吊り舵が下がっており、
その舵を桃色の髪色をした女が操っていた。


ここは、ボマーズ海賊団の持つ船の操舵室だった。

ボマーズ海賊団の船は形態としてはガリオン船だがその種のなかでも
もっとも小さいものであった。船員の少ない海賊団ではそれで十分だったし
小回りも利くのでむしろ気に入っていた。

甲板の中央に立つメインマストに掛けられた漆黒の
メインセイルにはボマーズ海賊団独特の模様が描かれている。

海賊旗とは、これから襲う相手に対し降伏を求めるもの、

「降伏せねばこの髑髏のようになる」

といった脅迫の意味を持ち、しゃれこうべに骨を十字に交差したものが
一般的であるが、ボマーズ海賊団のそれは大タル爆弾をモチーフにした髑髏に
ガンランスとヘビィボウガンが十字にかけられた一風変わったものだった。

ブロンドの長髪の女の名はベルメール。桃色の髪の女の名はさくらといった。

さくらは、か細い腕ながらも慣れた手つきで舵を取りながら

「ちょっとベルメール、ボーっと遊んでいないで早く行き先
 を決めてくれませんか?」

と、いい加減疲れたといわんばかりの表情で言った。

ベル「あぁ~、ンだようるっせェなー。別に行き先なんてどこだっていいんだよ。
   このまんままったりと揺られて居たい気分なんだ。
   なんだったらテキトーに決めてくれよ。お、そうだなァ、久々に狩りも悪くねェ。
   セクメーア砂漠辺りでガレオスでも爆弾で脅かして
   遊ぶってのはどうだ?」

ケラケラと笑いながらそういう姿はまるで小悪魔のようだ。

さく「もぉー、まじめに答えて下さいよ。それにここは西竜洋だから
   セクメーア砂漠までは三日はかかりますよ?ったくなんにも考えてないんだから」

さくらはため息をつきながら首を横に振った。
ちょうどそのとき操舵室の扉の向こうからなにやら騒がしい物音がするとおもった矢先に
一人の男が扉を肩でぶつかってあけながら叫んだ。

「ベル~!ほら見てくれよ、こんなデッケーカジキマグロが釣れたぜ?!」

そういって目を輝かせながら現れたのは船員のナカジだ。
酒を飲んでいるようで顔も真っ赤である。
それを見たベルメールは呆れながら

ベル「おいナカジ、今週に入って何匹目だ?もうマグロは食い飽きてンだよ!
   しかもよりによってキングサイズかよ!肉を釣ってこい肉をォ」

ナカ「はっはっは!いくらオレでも肉は釣れないから!」

というとキングサイズのカジキマグロを両手でズルズルと
引きずりながら満足そうに戻っていった。

さく「んもぉお~、ちゃんとドアは閉めていって下さいよ、
   どーしてこーなのかしらウチの船員は…」

膨れっつらをして扉を閉めながらぼやくように言った。
さくらはこの船の中で航海士を務めていたが、自然とメンバーの世話役のようにもなっていた。

さく「それで、砂漠。行くんです?」

髪を掻き揚げながらもう一度舵を握りなおし、不機嫌そうに言った。

ロッキングチェアーで揺れていたベルメールは椅子の揺れを
利用してひょいと立ち上がると、テーブルの上から煙草をとり、口にくわえた。

ベル「あァ、テキトーでいいよテキトー」

口をもごもごさせながらそう答えてから煙草に火をつけ、
煙を吐きながら部屋を出て行った。木製の床がきしむ音をたて、
その上を歩くベルメールの靴音がゴトゴトと音をたてた。

操舵室は船底にあるため、雷光虫のライトで灯りをとって
いるものの薄暗く、部屋を出たベルメールは真夏の照りつける
太陽に、少々つり上がった目を細めた。

突き抜けるような青い空に大きな入道雲。カモメの飛んでいる姿も見える。
甲板の隅の方には船員のセツナとカエデが座って話をしている。
どうやら今街で流行している娯楽のことについて話しているようだ。

カエデのほうは楽しそうに話しているが、
セツナはその娯楽の存在さえ知らないらしく、時折あいづちを打ちながら、
愛用の銃槍、イエローデザートを磨いていた。
船首ではナカジが凝りもせず酔っ払いながら釣りをしている。

ベル「ナカジ、あたしにもラムを一杯くれよ」

ナカ「ええー、ベルはビール派だろ?これはオレんだからあげられないね」

ちょうどアタリが来ているようで急がしそうに答えた。

ベル「気分なんだよ、ごちゃごちゃ言わねェでよこせッつーの」

そういうとラムの瓶を取ってナカジが飲み干して空になったグラスになみなみと注いだ。

ベル「グラス一杯ありゃ十分だろ?瓶ごともらってくからな」

ナカジはまた大物のカジキマグロでも引いているのだろうか
それには答えず釣りに興じている。

ベルメールは瓶をぶらぶらと振りながら、
甲板に座っている二人の横に何を話すわけでもなく腰をおろした。

らっぱ飲みをしながら空を見上げるとカモメが二羽、ダンスを踊っているように
騒がしく鳴きながら飛び回っていた。

カエ「ね!ベルさん、アレおもしろいおね?」

そう唐突に話しかけたのはカエデだ。色白で青い髪。
ショートボブのヘアスタイルで、人懐っこい女性だった。

ベル「あ?あァそういうの好きだよなァカエデは。機会があれば
   やってみるから教えてくれよ」

唐突すぎて一瞬戸惑ったが、大体の察しがついたベルメールは適当に答えておいた。

カエ「なんだー。ベルさんも知らないんだー」

がっかりした様子で、背伸びをしながら船壁にもたれかかった。

セツ「ねえベルメールさん」

あまりしゃべるほうでは無いセツナが口を開いた。
セツナは乗船して間もない新入りで、褐色の肌に真っ黒な大きな瞳が特徴の若い女だった。

セツ「私、もっと上手くなりたい」

ベル「なんだタマにしゃべったと思えばまたその話かよ」

カエ「せっちゃんは真面目なんだお~」

セツ「だって、もっと上手くならなきゃ。みんなにも迷惑かかるし…」

ベル「あのよォ。確かに技術は大事だぜ?
   モンスターの動きを予測するのも大事だ。でももっと大事なモンがある」

セツ「…なに?」

大きな瞳でじっとベルメールを見つめた。

ベルメールはセツナの胸の真ん中あたりを軽くこぶしで小突いて

ベル「それは、ここ(ハート)だよ。逃げ出さない勇気、立ち向かう意思だ。
   あともっと他のヤツに頼っていいンだぜ?
   自分一人で強くなろうなんて思うな」

それを聞いたセツナはしばらくキョトンとしてベルメールの顔をじっと見つめた。

セツ「ベルメールさんて時々、アツイよね」

目を細めてくすくすと笑いながら言った。その横でカエデは腕組みをしながら頷いている。

ベル「てめェからかってやがんのか?!人が珍しく真面目に答えてやりゃあ…!」

セツ「冗談だよ、ありがとう」

そういうとまたせっせと武器の手入れを始めた。
酒のせいか照れているせいか顔を真っ赤にしたベルメールは軽く舌打ちをしながら腰を上げた。

ベル「ちッ、操舵室に戻ってのんびり飲るかな…」

瓶の先を指先でつまみながら、慣れないラムのせいで酔いが回ったベルメールは
ややおぼつかない足取りで操舵室のほうへ戻った。





雷光虫のライトで青白く照らされた部屋の中にはさくらの姿は無く、
瓶の中で飛ぶ雷光虫の独特の羽音が部屋の中に響いている。

四角いテーブルの上には先程までは無かった航海日誌が置いてあった。
キャンパスノートほどの大きさで厚さは3センチ位、天鷲絨(ビロード)のブックカバーがかけられている。

ベル「なんださくらのヤツ日誌でもつけてたのか?どれ…」

ラムの瓶をテーブルに置き航海日誌を手に取ると、ドカっとロッキングチェアーに腰掛けた。

椅子に揺られながらペラペラとページをめくると今では懐かしい出来事などが
ところどころで目に飛び込んできた。懐かしむのもほどほどに
先程さくらが書いていたであろうページを読み始めた。

読み始めてしばらくするとベルメールは明らかに妙な様子に気がつき始めた。
椅子の揺れは自然と止まっていた。




ベル「なんだコレは…。一体誰だよサクヤって。それになんだ。
   大タル船長スクージってのは…。」

ちょうどその時操舵室の扉が開く音が聞こえた。

ベル「お、さくらやっと戻ってきたか。ンだよこの日誌の…」

話しながら後ろを振り返ると一匹の猫が立っていた。


すぐに気がついたが馬鹿でかい猫のかぶりモノをした人だった。
背中には老山龍砲を担いでいる。よくみると背後にももう一人
すみれ色のウェーブがかった髪の女もいた。

突然の見慣れない客とあまりの猫の顔の大きさにさすがに驚いたベルメールは後ずさり、
テーブルにあたって上に乗っていたラムの瓶が転げ落ちた。

床に落下する瓶を見ながらそのほんの一瞬の間に、ベルメールは思った。

というよりは確信した。

「船長とサクヤだ…!間違いねェ、でもなんだ?この懐かしい
 感じは。まるで昔っからの仲間に久々に会えたような…。
 いや、違う。会ってたんだ!あたしはこの二人の仲間だった!」

まだ中身の入ったラムの瓶が微妙な音をたてて砕け散った。
割れた瓶の始末も面倒だが今はそれどころでは無い。

言い表しようのない感情が一気に込み上げ、再び二人の方に目を向けると、
そこにはもう二人の姿は無かった。
開いていたはずの扉も何事も無かったように閉まっている。

そんなはずは無いとベルメールはすぐさま扉を開け放ち、
また太陽が照りつける甲板に駆け出した。

目が眩むなか必死で二人の姿を探したがどこにも見当たらなかった。
それどころか甲板に座る二人の姿も、船首で釣りをするナカジの姿も、
もちろんさくらの姿も見えない。

わけもわからずに立ちすくんでいると、
突然空が曇り始め瞬く間に激しい雨が降り出した。
甲板に打ちつける大粒の雨が地面に当たってはリング状に弾けている。
その様子をただ呆然と眺めているうちにベルメールの意識は遠のいていった。










気がついた時は操舵室の椅子の上だった。
遠くのほうで聞こえる雷鳴に、船を打ち続ける激しい雨。
風にのって時折激しく降るまとまった雨は、まるで
バケツをひっくり返したように甲板の上でバチャバチャと音をたてた。

テーブルの上には飲みかけのラムの瓶。
椅子に座るベルメールの手には航海日誌が白紙のページを開いていた。

何も書かれていないページには雫が落ちたような跡だけがあった。


ベル「ちッ、夢かよ…。あいつらが船を降りてからだいぶ経つってのに…」

袖で頬をぬぐいながらつぶやいた。

そして、思い出したように航海日誌のページをめくり戻した。

そこには船長スクージの名もサクヤの名も見当たらなかった。

ベル「そうだよな、あるわけねェよな。
   ずっと前にあたしが書いて以来誰も手をつけてねェんだ。
   ハハ、何やってんだろ…。っく、畜生、バッカみてェだ……」


気丈に振舞いながら笑おうとしたが、誰もいないこの船内ではその必要もなかった。
そのことが余計に胸を苦しくさせ、涙がこぼれるのを抑える事は出来なかった。
それでも必死に、声を押し殺して泣いた。
航海日誌がまた、雫で濡れた。


その時だ。

「よォほー、なに情けない顔してんだよ」

どこからともなく声が聞こえた。

何故か聞き覚えのある懐かしい声と話し方だった。
ベルメールはあわてて涙を拭いて振り返った。
今度でかい猫の顔があっても驚かないつもりだった。

しかしそこには猫のかぶりものを被った人の姿もなく、
女の姿もなかった。

ベル「ったく。なんなんだ一体。いい加減姿を現せッての」

一瞬がっかりしたが、すぐに気を取り直して、テーブルの上から
煙草をとり、口にくわえて火をつけた。

いつの間にか、うるさいほどに船を打ち続けた雨もあがっていた。
操舵室から出ると、夢でみたような突き抜けるような青い空だった。


船の上にほかの船員はいないが、妙に晴れやかな気持ちだった。
ゆっくりと船内を見渡しながら甲板を歩いた。
船の端に着くと背中から寄りかかり煙草を大きく吸い込んだ。
煙を吐き出しながら振り返り、ちょうど胸の高さあたりの船壁に頬杖を突いた。

ベル「そのウチきっとまた会えるよな、それまであたし一人
   だってかまやしねェさ」

すこし寂しそうに、だが強い口調で言った。



目の前に広がる紺碧の大海原の先には虹がかかっていた。

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Category: モンハン小説的な何か

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コメント

普段は本とか小説とか滅多に読まないわたしが
ひたすら無言で3作全部ノンストップで読んでた・・・

文章1つで人はこんなにも惹きつけられるんだね

妄想論につづき小説的な何か、
とてもわたしじゃ書くことなんて出来ない

これからも1ファンとして大切に読ませてもらいますよ~

くらん #- | URL | 2011/10/24 22:04 [edit]

一気読みとは・・・、つたない文章ですが
楽しんでもらえたようで素直に嬉しいッス!


べるじゅでぃ #- | URL | 2011/10/24 23:52 [edit]

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